7月1日から、3カ月以上に及ぶ「自粛休館」を終え、営業を再開しております。
業界のガイドラインも骨格が出来上がり、
それに基づいてそれぞれのお宿がウイズコロナの営業を始めています。
正直なところ、営業する事に対して感染拡大を助長するのではないかという、
「後ろめたさ」のような気持ちもあります。
しかしながら、
やはりこれ以上は自粛する体力も無い、零細企業としての貧弱さを痛感しながら、
営業せざるを得ない、という現状でもあります。
私達が出した答えは、ウィズコロナに対応する新しいかたちの宿泊スタイルを提案する事。
一番の変化は何だろうと考えたのですが、
お客様に対する「人的サービスを徹底的に廃止する」事でした。
これまで、お客様とスタッフのコミュニケーションを大切にしてきましたが、
皮肉な事に、これが一番の感染リスクに繋がります。
「お客様のお荷物、お持ちします」も、危険行為になりかねません。
例えば、私達は「ドリンク類」の提供も中止しました。
ガイドラインにはありませんが、例えば「生ビール」をお客様に提供するまでにどのくらいの工程を経るか、
グラスを洗浄し、冷蔵庫に保管する、そのグラスを違う人が手に取ってサーバーでビールを注ぐ、
そしてお客様のもとへ、「グラス」だけでも何人もの人が数回接触する機会があります。
ビールのサーバーも同じく。複数の従業員が触ります。
そして配膳する従業員は複数回、お食事会場を行き来します。
お客様が増えればその分頻度が増えます。
手袋やマスクをすれば解決するものでもないなと…。
可能な限り人と人との接触を無くすること。
それが一番のリスク回避に繋がると。
なので「ドリンク類は持ち込みOK」にしました。
でも実際に、「生ビール」さえも提供しないことで気分を悪くされるお客様もいらっしゃいます。
こちらの伝達が悪いのだと反省しながら、どうしたら納得して頂けるかも考えなければなりません。
ご予約頂く時点での説明が足りないのかもしれません。
これまでと同じようで、全く違うサービス内容になった気がします。
もちろん、宴会利用にも対応しています。
でも、これまで通りには出来ません。
きっと「あれっ?」と思われる場面もあるかもしれません。
この「あれっ?」を無くする事が、
今後お客様に満足して貰うための一番のポイントになるのだと思います。
まだまだ新しい時代は始まったばかり、
多分、改善しなければいけない事が今後沢山出てくると思います。
その都度、改善出来るものは改善して、
「ウィズコロナ」においても、
お客様には「良い宿だ」と思って頂けますように。
精進するのみです。

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